脳神経内科では脳卒中、てんかん、パーキンソン病など、神経系の病気全般を診療しています。
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中村 祐貴先生
脳神経内科
脳神経内科ではどのような診療を行っていますか
脳神経内科では脳卒中、てんかん、パーキンソン病など、神経系の病気全般を診療しています。北海道では認知度が高くはない診療科ではありますが、手術を行う「脳神経外科」、心の病を扱う「精神科」以外の多くの神経疾患を診療しています。
初診時には、問診および神経診察を行って診断に迫ります。症状によっては血液検査や画像検査を追加する場合があります。適切な診断ができるよう努めています。常勤医1名と大学病院などから外来診療の応援で、当科での診療をまかなっています。
パーキンソン病とはどのような病気ですか
パーキンソン病とは、ドパミンという神経伝達物質が減ることで起こる病気です。ドパミンが不足すると、脳からの命令が伝わりにくくなるため、体の動きが悪くなったり、自律神経や精神面にも影響が及んだりします。
高齢の方100人中1~2人がこの病気を患っているといわれるほど、患者さんの多い病気です。
手足の震えがある場合、パーキンソン病なんでしょうか
手足の震えは代表的な神経症状の1つです。しかし震えがあるからといって、必ずしもパーキンソン病とは限りません。本態性振戦、甲状腺機能亢進症、アルコール依存症などでも震えが生じます。また生理的な震えもあり、病気ではない可能性もあります。
まずは医師の診察を受けて確認することが大切です。
パーキンソン病ではどのような検査が行われますか
始めに対面診察を行い、どの程度パーキンソン病の可能性があるのかを見極めます(パーキンソン症状は他の疾患でも出現することがあります)。一般的には頭部MRIまたはCT、血液検査を行います。
また当院では核医学検査(ドパミントランスポーターシンチグラフィー、MIBG心筋シンチグラフィー)が実施可能であり、早期の診断や治療に役立てています。
パーキンソン病と診断を受けた場合、どのような治療となるのでしょうか
パーキンソン病の治療は、ドパミンの働きを補う薬を用いることが基本です。薬と並んで、運動療法(リハビリテーション)も同じぐらいに大事な治療です。
どの薬が適切なのかは一人ひとり違いますので、通院して薬剤調整を行いながら、介護保険を活用した施設通所でのリハビリテーションなどを行います。
パーキンソン病はなおる病気なのでしょうか
残念ながら減ってしまったドパミン神経を増やすことはできませんので、完治することはありません。
しかしパーキンソン病になったからといって、仕事や趣味の活動など、これまでの生活を諦める必要はありません。病気であることを受け入れて、その状態に合わせて適切な医療と介護を実践することが大事になってきます。
読者へメッセージをお願いします
脳神経内科についてもっと知りたい方は、下記に日本神経学会のホームページのリンクを掲載しております。ご確認ください。