本法人の理念に基づき患者の超急性期から在宅あるいは社会復帰に至るまで、
他職種と共動のもとに、QOL向上を目指して患者と共に努力する。
1. 患者の身体・精神状態を主治医を通じて共有する。
2. 患者の家族・住環境状況等を把握する。
3. 以上を熟知したうえで、在宅・社会復帰の意欲の向上を図ることにより目的を達成する。
TMS治療に係る外来予約 / お問い合わせ
医療法人雄心会 函館新都市病院 医療支援課 入退院支援室
電話:0138-46-1321/FAX:0138-46-1351
※当院は精神科領域・心療内科領域(うつ病や双極性障害など)
に対してのTMS治療は行っておりません
TMS(transcranial magnetic stimulation。経頭蓋磁気刺激)とは、「磁気によって大脳を刺激」して、脳の活動性を変化させる装置です。
脳卒中後遺症に対し、「すでに傷を負った脳組織を復活させること」ではなく、「まだまだ余力のある、健常な脳組織の神経活動性を促進して、大脳のもつ“神経症状を補う能力”を最大限に発揮させること」が目的です。
頭の上からコイルを当て、脳神経細胞に磁気刺激を与えます。
健康な側の脳を低頻度TMS(1Hz)で刺激することによって、間接的に病巣側の脳を活性化させようというものです。
右の図に示すように健側大脳に低頻度TMS(1Hz)を与えると、健側大脳から病側大脳にかかる(半球間)抑制 が低下して、結果的に、機能代償を担うとされる病巣周囲組織が抑制から開放されることで、その活性を増すものと期待されます。
TMSは、特に痛みなどの苦痛を伴ったり、体に傷をつけることはありません。
東京慈恵会医科大学附属病院では、2008年から世界に先駆けて、
「TMSと集中的リハビリテーションの併用療法」を脳卒中後の上肢麻痺および失語症に対する新たな治療手段として導入していました。結果として、脳卒中後の上肢麻痺もしくは失語症患者に対する効果は目を見張るものがあり、いまでは「脳卒中リハビリテーションの新時代を切り開く新たな治療手段」として、日本国内のみならず、海外でも注目されている治療法です。
TMS治療は、脳卒中後の上肢麻痺患者さん全てに対して行える治療ではありません。
1. まずは、「脳卒中後遺症に対するTMS治療の適応基準」をご確認ください。
適応基準を全て満たしていることが条件となります。
脳卒中後遺症に対するTMS治療の適応基準 | |
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1. | 片側の病変である |
2. | 脳卒中(脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血)が原因で上肢が麻痺している 手首を曲げずに指でグーパーができる (少なくとも親指、人差し指、中指の3指が曲げたり伸ばしたりできる) |
3. | 日常生活が自立している(自ら移動できるなど、生活上では介助を必要としない) |
4. | 全身状態が良好である (発熱、栄養障害、体力低下、重度の心臓・肝臓疾患がない) |
5. | 最近1年間で、痙攣の既往がない(脳波検査で異常がない) |
6. | 頭蓋内に金属(クリップ、コイル、ステント)が入っていない |
7. | 心臓ペースメーカーが入っていない |
8. | 透析をしていない |
9. | うつ病でない |
10. | 認知機能に問題がない(認知症でないこと) |
11. | 年齢が16歳以上である |
12. | 発症後2か月以上が経過している。 |
※適応基準を満たしている場合、高い安全性をもってTMS治療を行うことができるものと予測
されますが、その効果は患者さん個々によって異なります。
TMS治療を施行された患者さん全員に症状の改善がみられるわけではありませんので、TMS治療を行ってもなんら症状の変化がみられない場合もあります。
2. 東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科の医師の外来診察を受けていただきます。
「TMS治療を行うか否か」は、最終的に東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科の医師の診察によって決定されます。
適応基準を満たしていても診察の結果、TMS治療が行えない場合もあります。
◆外来診療日 原則 隔週土曜日 午前9時~12時
外来診療は、完全予約制です。必ずご予約の上、ご来院ください。
◆他の医療機関をかかりつけ医(主治医)としている方は、診療情報提供書(紹介状)が必要です。
また、半年以内に頭部MRIを撮影した画像データがあれば、併せてお持ちください。
◆必要により機能的MRI撮影を行います。
また、痙攣の危険性が高いと判断された場合は、脳波検査を行います。
3. 診察の結果、TMS治療の適応であると判定された際、入院の予約をとらせていただきます。
4. 入院日が決定しましたら、入院前検査のため外来を受診していただきます。
入院治療期間は、土曜日の午後に入院し、翌々週土曜日に退院となります。
計15日間の入院治療となります。
◆入院日(土曜日)
午後 TMS設定を行います。
脳卒中の責任病巣の詳細(部位と大きさ)を確認後、健側運動野への単発TMSにより運動誘発閾値(Motor Threshold)を決定します。
◆2日目(日曜日)
作業療法士による上肢運動機能の評価を行います。
◆2日目(月曜日)~14日目(金曜日)
午前 TMS治療40分 / 集中リハビリ(作業療法)60分 / 自主トレーニング60分
午後 集中リハビリ(作業療法)60分 / 自主トレーニング60分
◆TMS治療終了(退院)から4週間後
外来でSPECT(脳血流)撮影を行います。
ボツリヌス療法に係るお問い合わせ
医療法人雄心会 函館新都市病院 医療支援課
電話:0138-46-1321/FAX:0138-46-1351
当院では、
脳卒中後遺症により硬くなった筋(痙縮筋)
に対するボツリヌス療法を実施しています。
ボツリヌス療法とは、
ボツリヌス菌が作り出す
ボツリヌストキシンを有効成分とする
ボトックスという薬を、
硬くなった筋肉に注射する治療法です。
ボトックスを打った筋はその後
約3カ月痙縮が和らぎます。
ボトックス注射をうった筋肉は、その後徐々に柔らかさが出てきます。それにより、腕が開いて着替えがしやすくなったり、足首の動きが広がり足底が床につきやすくなるなどの効果が期待できます。一方、筋肉が柔らかくなることで使えていた機能が失われることもあります。そのようなことが無いように、何を目的とし、どの筋肉に注射するかはリハビリテーション科医師と十分に相談したうえで決めていきます。
当院では、
東京慈恵会医科大学付属病院リハビリテーション科の医師が外来診察にて
ボツリヌス療法の適応判断をしております。
診察にて適応ありと判断された場合、
日時を決めたうえで予定の日に来院してもらい施注します。
当院でのボツリヌス療法を希望される場合、
上記の連絡先までお問い合わせください。
リハビリテーション科外来診察は、
隔週土曜日の午前中、完全予約制となっております。