もやもや病

もやもや病

疾患概要

もやもや病は、脳に血液を送る大事な血管(内頚動脈)が狭くなり、最終的に詰まってしまう病気です。これを補うために細かい血管が発達し、画像検査で“もやもや”とした影のように見えることから、この名前がつきました。主に10歳以下の子どもと40歳前後の大人に発症し、原因はまだはっきりわかっていません。日本では厚生労働省の指定難病に認定されています。

原因・症状

もやもや病の正確な原因は不明ですが、家族に同じ病気の人がいるケースが多く、遺伝の関与が疑われています。

 

子どもの症状

楽器を吹く、熱いものを冷ますために息を吹くといった動作で、脳の血流が低下しやすく

その影響で、

  • 手足のしびれや動かしにくさ
  • 言葉がうまく出ない(呂律が回らない)
  • 一時的に意識がなくなる
    • などの症状が起こることがあります。

  • 進行すると脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)を引き起こすこともあります。

大人の症状
  • 子どもと同じような一時的な症状や脳梗塞が起こる
  • 細かい血管(側副血行路)が破綻すると脳出血を起こしやすい(子どもよりも重症化しやすい)
  • 頭痛が続いたり、記憶力や判断力が低下することもある

検査

  • 画像検査(CT・MRI・MRA):脳の血管がどのくらい狭くなっているかを確認します。
  • 脳シンチグラフィ:脳の血流が十分にあるかを調べます。

  • 血管造影検査:カテーテルを使って血管の状態を詳しく調べます。

治療

根本的な治療として、血流を増やすための手術が必要になります。

  • バイパス手術(直接血行再建術):健康な血管を脳につなぎ、新しい血流の道を作ります。
  • 間接血行再建術:筋肉や膜を脳に移植し、新しい血管が育つのを促します。

脳梗塞や脳出血を起こした場合は、薬で血流を維持する治療や、血の塊を取り除く手術を行うこともあります。

 

予防と注意点

もやもや病は予防する方法が確立されていません。しかし、早期発見と治療がとても大切です。

  • 一時的に手足がしびれる、言葉が出にくいといった症状が繰り返される場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 家族に同じ病気の人がいる場合も、定期的な検査を受けることが勧められます。

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