腰が痛い

疾患概要

疾患概要

腰の痛みは、生活の質を大きく左右する一般的な症状の一つです。重いものを持ち上げる動作や長時間の座位など、日常的な動作が原因となることも多く、軽度の不快感から激しい痛みまで、症状の程度は多岐にわたります。特に整形外科では、腰の痛みの根本的な原因を特定し、適切な治療法を提案します。

腰の痛みの主な原因

1. 椎間板ヘルニア
   椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こします。特に若年層から中高年に多い疾患です。

2. 変形性脊椎症
   加齢に伴い脊椎が変形し、神経が圧迫されることで腰の痛みを生じます。50歳以上の方に多く見られます。

3. 筋筋膜性腰痛
   過剰な筋肉の緊張や使い過ぎにより、腰の筋肉や筋膜が炎症を起こすことで痛みを感じます。姿勢の悪さや長時間のデスクワークが原因となることが一般的です。

4. 脊柱管狭窄症
   脊柱管（神経が通る管）が狭くなることで神経が圧迫され、腰の痛みや足のしびれを伴います。中高年に多く見られる疾患です。

5. 外傷
   転倒や事故による骨折、捻挫、打撲などが腰の痛みの原因になることがあります。早期の受診が重要です。

6. 内臓疾患の関連痛
   腰の痛みが内臓疾患（腎臓や婦人科系の問題など）から生じる場合もあり、整形外科以外の診療科での対応が必要になることもあります。

原因・症状

症状と受診のタイミング

以下のような場合は、整形外科での精密検査をおすすめします：

• 1週間以上続く腰の痛み
• 動作制限を伴う痛み
• 痛みが足に広がる、またはしびれを伴う
• 尿や便の異常を感じる
• 激しい痛みや外傷後の痛み

検査

腰の痛みの原因特定には以下の方法が用いられます：

• 問診：痛みの性質、持続期間、生活習慣の確認
• 身体検査：可動域や圧痛点を評価
• 画像診断：
  • X線検査：骨の異常を確認
  • MRI検査：神経や軟部組織の評価
  • CT検査：詳細な骨の構造の観察
• 血液検査：炎症や感染症の可能性を調べます

治療

1. 保存的治療

   • 安静と姿勢矯正
   • 消炎鎮痛剤（NSAIDs）の使用
   • 温熱療法や物理療法（ストレッチやマッサージ）

2. 運動療法
   腰部の筋力を強化し、柔軟性を高めるエクササイズが推奨されます。

3. 装具の使用
   腰をサポートするコルセットなどを使用して痛みを軽減します。

4. 手術的治療
   保存的治療で改善が見られない場合、椎間板ヘルニアの除去や脊柱管狭窄症の除圧手術が検討されます。

予防方法

• 正しい姿勢の維持
• 適度な運動と腰部のストレッチ
• 重い荷物を持つ際の注意（膝を曲げて腰への負担を軽減）
• 体重管理

腰の痛みは早期に適切な対応を取ることで改善が見込まれる場合が多いため、症状を感じた際には専門医を受診してください。
※この情報は一般的な医療情報であり、具体的な診断や治療は医療専門家にご相談ください。