動悸

疾患概要

動悸とは

動悸とは、心臓の鼓動をいつもより強く感じたり、速くなったりする状態のことです。脈が速くても遅くても、または不規則でも、「いつもと違う」と感じることが動悸の特徴です。

動悸の原因

心臓が原因の場合

不整脈

心臓のリズムが乱れることで動悸が起こります。脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりすることがあります。ひどい場合にはめまいや失神を伴うこともあります。

心臓弁膜症

心臓の弁が正常に機能せず、血液の流れが悪くなることで動悸が起こります。胸の痛みや息切れがみられることもあります。

心不全

心臓の働きが弱まり、全身に十分な血液を送れなくなると動悸が生じることがあります。息切れやむくみ、疲れやすさを感じることが多いです。

心臓以外の原因

貧血

血液の酸素が不足すると、心臓が頑張って血液を送ろうとするため動悸が起こります。めまいや息切れを伴うこともあります。

甲状腺機能亢進症（バセドウ病など）

甲状腺ホルモンが多く分泌されると、心拍が速くなります。手の震えや体重減少、汗をかきやすくなるといった症状もみられます。

低血糖

血糖値が下がると、体がエネルギー不足になり、交感神経が刺激されて動悸が起こります。冷や汗や手の震え、強い空腹感を伴うことがあります。

ストレス・パニック障害

強いストレスや不安により自律神経が乱れ、動悸が生じることがあります。突然の動悸とともに息苦しさや不安感を感じる場合、パニック障害の可能性もあります。

薬や嗜好品

カフェインやタバコ、アルコールの摂取、特定の薬が原因で動悸が起こることがあります。

受診の目安

緊急受診が必要な場合

以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診し、場合によっては救急車を呼びましょう。

• 何もしていなくても脈拍が140回/分を超える
• 胸の痛みや息苦しさがある
• 失神しそうになる、または意識がもうろうとする

早めの受診を検討する場合

• 休んでも脈拍が100回/分以上続く
• 動悸が繰り返し起こる、または長時間続く
• 脈が飛んだり、不規則になったりする

経過観察が可能な場合

• 短時間でおさまり、繰り返さない
• 運動やカフェイン摂取など明らかな原因がある

受診時に確認するポイント

診察時に医師に伝えると役立つ情報です。

• 動悸が起こるタイミング（運動後、ストレス時など）
• どれくらいの時間続くか
• 他の症状（息切れ、冷や汗、めまいなど）があるか
• 脈の状態（速い、遅い、不規則など）

日常生活での対策

ストレスを減らす

深呼吸やリラックスできる時間を作り、自律神経を整えましょう。

カフェイン・アルコールを控える

過剰な摂取は動悸を引き起こすことがあるので注意しましょう。

禁煙

タバコに含まれるニコチンは心拍を速めるため、禁煙をおすすめします。

適度な運動

無理のない範囲で運動をすることで、心肺機能を整えましょう。

動悸が気になる場合は、早めに医療機関に相談し、適切な対応をとることが大切です。