放射線科

放射線科 – 概要

放射線科について

放射線科ではX線写真の撮影やCT・MRI検査、核医学検査等の医療画像の提供、また撮影だけでなく診断・手術に必要な3D画像の作成などを行っています。 11名の診療放射線技師が在籍しており、24時間365日スタッフ全員が全てのモダリティーを確実に操作できるような教育訓練及び体制を整えています。 各種認定資格を取得した技師が多数在籍しており、各診療科と連携し質の高い検査や治療を提供できるように研鑽を積んでいます。

放射線科 技師長 佐藤 剛

診療放射線技師

11名(男性技師9名・女性技師2名)が在籍し、日々技術の研鑽に努めています。

専門資格一覧

診療放射線技師 11名
磁気共鳴専門技術者 1名
X線CT認定技師 2名
画像等手術支援認定技師 2名
放射線管理士 1名
放射線機器管理士 1名
日本救急医学会ICLS受講者 4名
臨床実習指導教員 1名

装置一覧

一般撮影装置 RAD speed PRO (SHIMADZU社) 1台
骨塩定量装置 ALPHYS LF(FUJIFILM社) 1台
X線透視装置 FLEXAVISION FD eXceed (SHIMADZU社) 1台
血管撮影装置  Artis zee BA (SIEMENS社) 1台
超音波装置 LOGIQ S8 (GE社) 1台
X線CT装置 Revolution HD (GE社) 1台
MRI装置 SIGNA Explorer 1.5T (GE社) 1台
SIGNA EXCITE HD 3.0T (GE社) 1台
SPECT装置 Discovery NM 630 (GE社) 1台
ナビゲーションシステム STEALTHATATION S7 (Medtronic社) 1台
Work Station Ziostation2 (ザイオソフト社) 4台
Advantage workstation (GE社) 2台

一般撮影検査

MRI検査

X線を照射して写真を撮る検査です(いわゆるレントゲン写真のことです)。 肺や心臓、腸管ガスなど胸やお腹の状態を観察したり、骨折や関節など骨の状態を確認するために撮影します。また手術などで体の中に留置した脳動脈クリップやコイルなどの状態を観察するために撮影します。 当院ではFPD(フラットパネルディテクタ)を使用しています。このFPDにより低被ばくかつ良質なX線画像の提供が可能です。撮影した画像データはサーバーに蓄えられ、院内構築されたPACSにより診察室や病棟でいつでも観察することができます。

検査時の注意

X線写真には、金属やプラスチックが写ります。撮影する部位にボタンやチャック、ホックなどやヘアピン、ネックレス、ピアスなどのアクセサリーがあると診断に支障をきたしますので、取り外して頂くことがあります。また、場合によっては、更衣をお願いすることもあります。妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある方はスタッフへ申し出て下さい。

骨密度検査

骨密度検査は骨の密度を測定し骨粗しょう症の有無を調べる検査です。骨粗しょう症は骨の密度が低下して骨の中がスカスカな状態になり骨折しやすくなってしまう病態です。ですから骨の密度を測定することはとても重要なのです。骨密度検査には数種類の方法がありますが、当院の骨密度検査は2種類の異なるエネルギーのX線を照射して骨密度を測定する方法で、他の方法の骨密度検査と比べて最も精度の高い検査方法とされております。検査時間は10分程度で、ベッドに寝るだけで簡単に検査をすることができます。検査をご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

検査時の注意

腰の骨と大腿骨から骨密度測定しますので、ズボンにボタンやファスナーなどがない服装が望ましいです。また、場合によっては、更衣をお願いすることもあります。妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある方はスタッフへ申し出て下さい。

X線TV(透視)検査

X線TV検査は人体内部をリアルタイムに動画として観察し、撮影を行っていく検査です。この検査の代表的なものが人間ドック等でバリウムを飲んで行う胃の検査です。当院では、飲み込みの検査やシャントバルブの確認・調整、ブロック注射などの検査で使用しています。

血管撮影装置(血管撮影検査・血管内治療)

血管撮影装置とは、足の付け根や、手首などからカテーテルという細い管を目的の部位まで、誘導して造影剤をいれて全身の血管の検査や治療を行う装置です。当院は日本脳神経血管内治療学会の専門医・指導医が複数名在籍しており、血管撮影装置を使った脳血管内治療において道内でトップクラスの治療数です。脳動脈瘤に対するフローダイバーターという新しい治療やコイル塞栓術、動脈硬化などにより細くなった頚部の血管を広げるステント留置術などさまざまな治療を行っています。

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また、日本心血管インターベンション治療学会の認定医が複数名在籍しており、脳や頚部の血管だけでなく、心臓や腎臓、足などの循環器領域の血管を対象に最新の治療が行われています。

超音波検査(頸動脈)

左右の頸部にある頸動脈の壁の厚さ(動脈硬化)、壁の状態、狭窄の有無などを調べます。検査時間は15分から30分程度です。頸動脈は脳に血液を送る非常に大切な動脈です。頸動脈の血管に動脈硬化などが起こり、血液の流れが阻害されると、脳梗塞につながる恐れがあります。また、頸動脈に動脈硬化がある場合は全身の血管系にも動脈硬化がある可能性があります。脳梗塞を未然に防ぐため、全身の動脈硬化を推測するためにもとても大切な検査です。その他、頸動脈に狭窄が起こり頸動脈ステント留置術や頚動脈内膜剥離術などの手術後の状態把握のために検査が行われます。

検査時の注意

首の部分に検査用のゼリーをつけて検査をしていきますので、タートルネックなどの首が覆われた服装は避けていただき、首元のアクセサリー類は取り外してください。

X線CT検査

MRI検査

X線コンピューター断層撮影(X-ray Computed Tomography)の略です。寝台に寝た状態で円形の機械に入り、目的とする部位にX線を照射して撮影します。その撮影データをコンピューターで計算し処理をすることで身体の断面の画像が作成され、脳や肺、内臓、骨などの身体の内部構造を観察することができます。さらに、この輪切りの画像をコンピューターで処理することにより、色々な方向からの断層画像や3D画像、動きのある4D画像も得ることができます。当院には認定資格であるX線CT認定技師が2名在籍しており、検査プロトコルや被ばく線量など適切に管理されております。検査時間は通常5分から10分ほどですが、造影剤を使用する精密検査の場合、30分ほどかかる場合もあります。

検査時の注意

X線写真には、金属やプラスチックが写ります。撮影する部位にボタンやチャック、ホックなどやヘアピン、ネックレス、ピアスなどのアクセサリーがあると診断に支障をきたしますので、取り外して頂くことがあります。また、場合によっては、更衣をお願いすることもあります。妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある方はスタッフへ申し出て下さい。造影剤を使用する検査の場合、下記の項目に該当される方は必ず事前にお知らせください。

  • 過去に造影剤を使って気分が悪くなった方
  • 糖尿病の薬を飲んでいる方
  • アレルギーがある方(気管支喘息や食物・薬剤アレルギーのある方)

MRI検査

MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置を用いて、強力な磁気と電波を利用し体内のさまざまな断面や血管などを画像にする検査です。CT検査とは違い、X線を使用しないため放射線による被ばくがないことや造影剤を使用せずに血管を撮影できることが特徴の検査です。当院には核磁気共鳴専門技術者というMRIに関するスペシャリストが在籍しており、検査条件や安全対策など適切に管理されております。また、この検査は大きな音が鳴る検査ですので当院では耳栓をつけていただいて検査をしております。検査時間は通常10分から30分程度ですが、精密検査などの場合1時間程度検査時間がかかる場合もあります。

検査時の注意

MRI装置は簡単に言うと強力な磁石です。金属のものは吸い寄せられ、機械に吸着し簡単には取れませんし、壊れてしまいます。そのような事故が起きないように当院では検査前に問診表に沿いながら患者様の手術歴や禁忌事項などを確認しております。またMRI前室でも2重の確認を行っております。検査の前に手術歴や金属類などの申告漏れがないか確認をお願いします。

検査時の注意

  • 心臓ペースメーカー(MRI非対応のもの)
  • 体内自動除細動器、ICD(MRI非対応のもの)
  • 脳深部刺激装置、神経刺激装置(MRI非対応のもの)
  • 人工内耳(MRI非対応のもの)
  • 磁石式人工肛門
  • 体内埋め込みインスリンポンプ(取り外せないもの)
  • 磁石式義眼
  • 条件付きでMRI検査ができる手術歴や体内に埋め込まれているもの
  • 脳動脈クリップ
  • 磁石式インプラント
  • ステント留置術(心臓、下肢)、下大静脈フィルター
  • 人工弁
  • 入れ墨、アートメイク
  • 検査前に外していただくもの
  • アクセサリー(画像の歪み)
  • 貼り薬(ニトロダーム、シガノン、ニコチンパッチ、ノルスバンテープなど、火傷の恐れ)
  • ホッカイロ(火傷の恐れ、装置の故障)
  • ブラジャー(金具のついているもの、画像の歪み)
  • カラーコンタクト(失明の恐れ)
  • スーパーミリオンヘアーEX(増毛剤)

核医学検査

RI(放射性同位元素)と呼ばれる放射線を出す医薬品を静脈から投与して体内から出てくる放射線をガンマカメラという装置で撮影する検査です。RIは調べたい臓器や病気に集まる性質をもち、当院では脳の血流や心臓の血流を調べる検査、認知症を調べる検査などが行われています。検査時間は通常20分から30分程度ですが、RIを投与してからすぐの検査や1時間後、3時間後の検査など検査の内容によって待ち時間が異なります。

検査時の注意

RI検査で使用する医薬品は使用期限が短くその日限りです。万が一検査をキャンセルする場合は検査の2日前までにご連絡ください。

Work Station

CTやMRIなど複数の装置で撮影された画像データを取り込んで、3D画像や動きのある4D画像を作成する画像処理装置です。その他、様々な解析や計測なども行うことができます。当院では2種類、計6台のWork Stationを導入しており、病気の種類などによって使い分けて画像作成しています。例えば脳動脈瘤を様々な角度から観察したり、全身の血管を3D画像にして血管内手術の通り道を評価しています。このように画像診断から手術の支援まで行う重要な装置です。当院には画像作成の認定資格である画像等手術支援認定技師が2名在籍しており、診断から特殊手術まで有用な画像の提供を行っています。

ナビゲーションシステム

当院では脳腫瘍や三叉神経痛、顔面神経痛などに対する微小血管減圧術などの手術にナビゲーションシステムを利用しています。ナビゲーションシステムは車のカーナビのようなものです。事前に撮影したCTやMRIなどの画像データをシステムに取り込み、手術台に寝ている患者様と画像をリンクさせます。それにより脳腫瘍などの病変部とその周囲を立体的にかつリアルタイムに画面上に表示できるので、安全に手術を行うことができます。特に脳の深部にある腫瘍や重要な血管や脳神経と接している病変の場合に非常に有用です。